個人情報保護の観点から名札を語る
昨今、小売業などの現場において「名札にフルネームを掲載する必要があるのか!?」という疑問・問題があるようです。例えばクレーマーに「名前を覚えたぞ」というようなことを言われた、名前からSNSアカウントを特定されたなど、プライバシーにむやみに踏み込まれるといったケースは実際にあります。
名札を各スタッフに装着してもらう理由は、例えばある会社やお店のスタッフであるという自覚や責任、一体感を持ってほしいということだったり、名前を覚えてもらってお客様との親密な関係を築きたいということだったり、 各社それぞれの理由があると思いますが、当店としても必ずフルネームである必要はないんじゃないかと思っています。
じゃあどうすべきか、そのあたり、詳細を記しておきたいと思います。
大手企業ほど「苗字のみ」のパターンが多い
当店に名札をオーダーしてくださっている大手企業様のほとんどは、フルネームではなく「苗字のみ」の名札を作られています。そしてよみがなは英字で「A.Tanaka」のように、名前部分は頭文字だけ、というパターンが多いです。
苗字だけなら、個人情報を特定しきれない可能性も高く、また名前(苗字)を覚えてもらって親密・信頼関係を築くといったことも可能です。
また、これは「多い」というパターンではありませんが、もう日本語表記も外して「A.Tanaka」といった英字だけ載せるというパターンもあります。
そしてその英字を筆記体にして、日本語フォントには出せないスタイリッシュさを演出される方もいらっしゃいます。欧文筆記体フォントはパッと見でかなり読みにくいので、よみがな用のフォントとしてはなかなか難しいのですが、
逆にその「読みにくさ」という部分が個人情報保護という観点ではメリットにもなるように思えます。
社是社訓、キャッチコピーを入れる
名札、ネームプレートだから「名(Name)」を入れるという固定観念を取っ払っても良いと思います。
名を入れずに、会社の想い、社是社訓、キャッチコピーを入れて、一社員、一スタッフとして想いを共有しながら掲げるというのは、かなり組織ワークにおいて重要でオススメです。
スペースが空いていれば、先ほどのような「A.Tanaka」といった英字だけ名前を小さく載せるのもいいかもしれません。
これは導入されているパターンとしてはかなり少数ですが、だからこそ御社で先んじて導入してみてはいかがでしょうか。
仮名でもOK。名札はアクセサリーです。
名札を「名前を表示するための事務用品」と捉えると、これまでの話は本末転倒かもしれません。しかし当店は名札をそういった単純な事務用品とはとらえておらず、
冒頭で申し上げた責任感や一体感であったり、信頼関係の構築だったりと「ビジネス的な意味合いをもつアクセサリー」だと思っています。
そのビジネス的な意味合いに、フルネームは必須であるとは思えません。一方アクセサリーでもあるので、プライバシーは守れるようにしながらスタイリッシュなオリジナル名札に仕上げていただければ良いと思っています。
プライバシーに関する不安のないような、それでいてオシャレの一部としてどうどうと掲げられるような、そんなオリジナル名札の制作を応援します。